「平安の夢」に関して

この記事は、テキスト第13章第VII節「実相世界の達成」、第9段落の1を読んでいて、どうも意味がよく分からなかった体験を元に書きました。

では、まず、当該箇所を抜き書きします。

T-13.VII.9:1

あなたはまず最初に平安の夢を見るだろう。そしてその後、それに目覚めるだろう。

ここでまず、最初に見るのは「平安の夢」であるということと、次に目覚めるのは「それ」であるということから、「それ」というのは「平安の夢」なのだろうかと思いましたが、それにしては、「平安の夢に目覚める」というのは、夢の中に目覚めるということになり、なんか変です。

で、「それ」というのを前の段落から探してきて、例えば、「自分の実相」に目覚めるのだろうかとしてみても、意味は通らないわけではありませんが、どうもしっくりきません。

というわけで、英語の原文に戻ってみました。

原文

You will first dream of peace, and then awaken to it.

dream of : ~を夢見る、~の夢を見る

awaken to : ~に気がつく、実感する

これだと、明らかに、awaken to する it は peace であると感じます。

ただしここでも考えて、もしかすると、willがここでは「意志する」という意味で用いられていて(奇跡講座ではしばしばその意味で、「will」が動詞として用いられているらしいので)、「dream of peace」でそのまま「平安の夢」なのかもしれず、そうすめとこの文の前半は、「あなたはまず平安の夢を意志するだろう」という意味になり、これはこれで何か感じるものがあり、興味深いと思ったのですが、どうやらそれは考えすぎのようでした。

なのでここでは素直に、「dream」を動詞とみて、「dream of」で「夢を見る」あるいは「夢見る」という意味だととる方が良さそうです。

そうすめと、後半の it は素直に「平安」のことだとわかります。

しかし、「夢見る」と「夢を見る」とでは、ニュアンスが異なります。

前者は、いわば能動的な願望のような感じですが、後者にはそのようなニュアンスはありません。

そして、ここで例えば、「平安を夢見る」とすると、確かに、翻訳としては一見すっきりします。

そうするとここは、「あなたはまず平安を夢見るだろう。そしてその後、平安に目覚めるだろう」ということになり、平安とは何だろうと思い描いているうちに、なんとなくわかってくる、ということなのだろうかとも受け取れます。

しかし、どうもこれもまた、なんか違う気がします。

なのでやはりここはどうしても、「平安という夢を見る」ということになるのだろうと思います。

ですから、ここでわかりにくかったのは、「平安の夢を見る」という訳だと、「「平安の夢」を見る」というように感じてしまうことによるものだったようです。

なのでここは、「平安という夢を見る」というようにわずかに変更すると、意味がすっと通るようになり、しかも、たぶんですが、奇跡講座全体に照らし合わせても、これでいいのではないかと感じます。

そこでここは、次のように提案します。

翻案 :

あなたはまず最初に平安という夢を見るだろう。そしてその後、それに目覚めるだろう。

ただし、原文を引用したところに書きましたが、「awaken to 」という言葉は、「気がつく、実感する」というのが普通の意味のようです。

なのでここは、「平安を実感するだろう」というようにした方が、書かれている内容の理解という点ではクリアーになるかもしれません。

そして、電子書籍で検索してみると、「平安の夢」という言葉は、どうやらこの一カ所に登場するだけのようなのですが、これは「「平安の夢」を見る」のではなく、「「平安」の夢を見る」だったことから、「平安の夢」という述語は、奇跡講座には登場しない、ということになります。

以上が、この箇所から分かったことでした。